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鹿園 直哉; 渡辺 宏; 田中 淳; 田野 茂光*; 堤 伸浩*; 平井 篤志*
Mutat. Res., DNA Repair, 337, p.41 - 48, 1995/00
細胞分化のDNA鎖切断の再結合能に対する影響を調べるため、オオムギの根において、アルカリ巻きもどし法を用い、DNA鎖切断の再結合能を解析した。DNA鎖切断の再結合は、早い再結合と遅い再結合の2相性であることが明らかとなった。線照射後6時間で、未分化の細胞でのDNA鎖切断は未照射のレベルまで再結合されたが、分化した細胞では再結合されない切断が残存した。この再結合能の違いは遅い再結合の効率に起因した。未分化の細胞の遅い再結合は、タンパク質合成阻害剤であるシクロヘキシミドの存在下では阻害され、照射後のタンパク質合成を必要とすることが示唆された。一方、分化した細胞での再結合はシクロヘキシミドにより阻害されなかった。以上の結果から、分化した細胞での再結合能の低下は、遅い再結合での誘導的な再結合が欠損しているために生ずると推察された。